動画生成AIは、CGを制作する技術がなくても、思い通りの動画を作り出せる技術です。一昔前よりも動画のクオリティが格段に向上していて、さまざまなシーンで活用されるようになりました。
しかし、多くの企業が動画生成AIを提供しているため、どれを選んだらいいのか判断が難しいです。
そこで本記事では、おすすめの動画生成AI9選を紹介します。あなたに最適な動画生成AIを見つけられるので、ぜひ最後までご覧ください。
知らないと損!動画生成AIとは?
動画生成AIとは、テキストや画像・動画などから新しい動画を生み出せるAIです。
生成AIには、以下のような種類があります。
- テキスト生成AI
- 画像生成AI
- 音声生成AI
上記のような生成AIのひとつに、動画生成AIがあります。
動画生成AIは、他の生成AIと比べると開発が難しいのが特徴であり、現在は数秒の短い動画しか生成できないサービスが多いです。
しかし、技術の進歩により、将来的には企業のプロモーションビデオやアニメなどに活用されるでしょう。
動画生成AIを活用するメリット
動画生成AIの最大のメリットは、撮影の手間を省けることです。動画を撮影するには、以下のように多くの手間が発生します。
- ロケ場所の選定、許可取り
- 企画の立案
- モデルの手配
- 撮影
- 編集
本格的な動画を撮影するには、企画から編集完了まで1ヶ月以上かかることも多いです。
動画生成AIを活用すれば、オフィスや自宅にいながら高品質な動画を生み出せます。
動画生成AIの性能が上がれば、「動画はAIが作るもの」に変わるかもしれません。
その他にも動画生成AIには、動画編集スキルが不要で誰にでも簡単に動画を作れるメリットもあります。
【2024年最新】おすすめ動画生成AI 9選
動画生成AIは、さまざまな種類があり、用途に合ったサービスを選ぶことが大切です。ここでは、2024年最新のおすすめ動画生成AI9選を紹介します。
クオリティ | 得意ジャンル | 料金 | 操作性 | |
MagicAnimate | ◎ | 人物・動物 | 無料 | ◎ |
Pika | ◎ | アニメ | 無料:300クレジット 月10ドル:1050クレジット 月60ドル:3000クレジット | ◎ |
AnimateDiff | 〇 | オールジャンル | 無料 | △ |
Animate Anyone | ◎ | 人物 | 未定 | △ |
Runway Gen 2 | 〇 | 写実的 | 無料:125クレジット 月15ドル:625クレジット 月35ドル:2250クレジット 月95ドル:無制限 | ◎ |
Stable Video Diffusion | ◎ | オールジャンル | 未定 | △ |
DomoAI | 〇 | アニメ | 無料:100クレジット | 〇 |
Leia Pix | 〇 | オールジャンル | 無料 | 〇 |
Animated Drawings | 〇 | 手書きイラスト | 無料 | ◎ |
1.MagicAnimate|静止画を簡単に動画にできるAI
MagicAnimateは、静止画の中の人物を思い通りに動かせる生成AIです。
AIが画像の中の人物を自動認識して、歩いたり踊ったりするなどの動作をさせられます。また、人物だけでなく、動物を認識させることも可能です。
MagicAnimateは、TikTokを運営するByteDance社が開発しました。将来的には「TikTokに組み込まれて」生成した動画をすぐに投稿できるようになると予想されています。
アニメのキャラクターや絵画など、さまざまな静止画を動画にできますが、著作権を侵害しないように気をつけましょう。
自撮りや友達との写真に動きを付けて、動画サイトに投稿して楽しみたい人におすすめのAIです。
2.Pika|商用利用可能なアニメ動画を生成できるAI
Pikaは、プロンプトからクオリティの高い動画を生成できるAIです。
特にアニメ調が得意で、テレビアニメから抜き出したような動画を生成可能です。
有料版であれば、生成した動画を商用利用できます。
トップ画面にプロンプトを入力するだけで、動画を生成できる手軽さが人気を集めています。
また、画像や動画をアップロードして、似た動画を新たに作り出すことも可能。カメラワークの指定もできるため、独自の画角でオリジナリティあふれる映像になるでしょう。
プロンプト:アニメキャラクターの少女が桜並木の下を歩く
ただし、生成できる動画の長さは、基本的に3秒です。
長編映画のような長い時間の動画は生成できないため注意してください。
無料プランでは、生成した動画に「Pika」の透かしが入ります。インターネット上にアップロードすると、何のAIを使ったのか他の人にバレてしまうため注意してください。
カメラワークを駆使して、自分だけの視点の動画を作りたい人におすすめのAIです。
3.AnimateDiff|Stable Diffusionで作成した画像を動かせるAI
Animate Diffは、高品質な画像を作り出せると評判のStable Diffusionで作成した画像を動画にできるAIです。動画の元となる画像を自分で作れるため、イメージ通りの動画を作れるでしょう。
画像生成AIStableStableのStable Diffusionは、オールジャンルで高品質な画像を生成できるAIです。そのため、Animate Diffで生成する動画も高い品質を誇ります。
ただし、Stable Diffusionを導入するのには、少しハードルがあります。
パソコンに詳しい人でないと、Animate Diffを使う前に挫折してしまう可能性があるので注意が必要です。
動画の元となる画像を自分で作成して、より想像通りの動画に仕上げたい人におすすめのAIです。
4.Animate Anyone|人物を自然なモーションで動かせるAI
Animate Anyoneは、画像に映った人物やアニメキャラクターを、自由に動かせるAIです。
クオリティの高さに定評があり、髪の毛や服の動きが自然で、生成された動画とは思えないほどです。また、動画のチラつきが少なく、視聴者に違和感を感じさせません。
ただし、Animate Anyoneは公式サイトでサンプル動画は公開されていますが、ソースコードは公表されていません。
自由に使用できるのは、まだ先になるでしょう。
5.Runway Gen 2|簡単にリアルな動画を作り出せるAI
Runway Gen 2は、「テキスト+画像」から新しい動画を生成できるAIです。
テキストや画像から動画を生成できるAIは数多くありますが、テキスト+画像から生成できるAIは珍しいです。
テキストと画像の両面からAIに指示することにより、思い通りの動画を生成できるでしょう。
画像の生成は、プロンプトを入力するだけの簡単操作です。試しに以下のプロンプトで作成してみました。
プロンプト:two cats are playing on the sandy beach(2匹の猫がビーチで遊んでいる)
上記の動画を見ても分かる通り、かなりリアルな雰囲気です。
パッと見ただけでは、実写と間違えてしまうほどですね。
ただし、プロンプトは英語で指示する必要があります。翻訳サービスを活用して、AIに的確な指示をしましょう。
テキスト+画像で細かく指示をしながら動画を生成したい人におすすめのAIです。
6.Stable Video Diffusion|オールジャンルで高クオリティなAI
Stable Video Diffusionは、多くの人のニーズに対応するために、オールジャンルで高クオリティを実現したAIです。アニメ調やリアルな雰囲気だけでなく、SFやレトロなどさまざまなスタイルで動画を生成できます。
基本的には画像から動画を生成でき、3~30フレーム/秒の間でフレームレートを選択可能です。
現在は開発段階のため、研究目的でリリースされています。
正式リリースされる際には、さらに高いクオリティの動画を生成できるでしょう。
クライアントからの求めに応じて、幅広いジャンルの動画を作る必要がある人におすすめのAIです。
7.DomoAI|アニメに特化した動画生成AI
DomoAIは、Discordで利用できる、アニメに特化した動画生成AIです。
実写の画像をアップロードすると、アニメ調の動画が生成されます。アニメのスタイルは、以下の中から選択可能です。
- Flat color anime style
- Japanese anime style
- Live anime style
- Chinese ink painting
4つのスタイルから選択できるため、狙った雰囲気の動画を作成しやすいです。
しかし、日本語には対応していないため、注意が必要です。
また、Discord上で動画を生成するので、他の参加者にもログが見えてしまいます。他人に知られると不都合のある情報は入力しないでください。
アニメ調の動画をメインで作りたい人におすすめのAIです。
8.Leia Pix|画像を3Dに変換できるAI
Leia Pixは、平面的な画像を立体感のある3Dに変換できるAIです。英語版しかリリースされていませんが、UIが分かりやすく直感的に操作できます。
生成した動画は、URLで簡単に共有可能。
MP4やGIFなどでダウンロードできるため、SNSでの共有もできます。
アニメーションのスピードやモーションの調整が可能ですが、操作欄は英語表記のみです。細かく調整したい場合は、翻訳しながら作業を進めましょう。
自社の商品を3Dにしてインパクトを増す・ゲーム開発でキャラクターを3Dにするなど、さまざまなビジネスシーンで活用したい人におすすめです。
9.Animated Drawings|無料で落書きを自由に動かせるAI
Animated Drawingsは、簡単な落書きでもAIが認識して自由に動かせるサービスです。
サンプルの画像やモーションがあらかじめ用意されているため、AIに関する知識がない初心者でも、すぐに利用できます。
画像をアップロードする際は、AIが認識しやすいように、シワや破れがないかチェックしてください。
また、画像が暗いと認識できないため注意が必要です。
子どもがいる家庭におすすめのAIです。子どもが描いた絵を動画にして残せば、一生の思い出になるでしょう。
動画生成AIの3つの活用事例
動画生成AIは、ドラマや映画・企業のCMなど幅広い分野で活用されています。ここでは、動画生成AIの3つの活用事例を具体的に紹介します。
1.ドラマや映画
AIが生成した動画は、ドラマや映画の映像に使われています。
実際に、ディズニー傘下のマーベルが制作したドラマ「シークレット・インベージョン」のOPには、AIが生成した動画が使われています。
ドラマの本編に生成AIの動画を使用するのはクオリティ的にまだ難しいですが、将来的には当たり前のように使われるでしょう。
2.企業のCM
企業のCMでは、映像の一部に動画生成AIが活用される事例が増えてきました。
例えば、コカ・コーラ社のCMでは、実写と生成AIの動画が混合して作られています。
通常ならCGを使うところですが、動画生成AIを活用すれば、制作費を大幅に削減可能です。
3.観光PR
草津温泉観光協会は、観光PR動画の大部分をAIに任せて製作しました。AIがおこなった作業は以下の通りです。
- 構成
- ナレーション
- BGM
- アニメーション制作
草津温泉観光協会が制作したPR動画は、「観光業界初の試み」として注目されました。
AIが制作した動画は、独特の雰囲気があり、視聴者の興味を集めています。
動画生成AIを利用する際の注意点
動画生成AIは、著作権問題と商用利用に注意を払う必要があります。ここでは、動画生成AIを利用する際の注意点を解説します。
著作権問題について
生成AIが急速に発展しているため、文化庁が主体となり著作権といった法整備が進められています。
AIが生成した動画が、既存のコンテンツに酷似していて、著作権を侵害するケースがあるためです。
例えば、他人のコンテンツをAIに読み込ませて、新たな動画を生成すると、元の動画に似たものが完成します。著作者に訴えられると、損害賠償が発生する可能性があるため注意しましょう。
商用利用について
AIが生成した動画は、商用利用が認められているものがあります。動画生成AIの利用規約に、商用利用が可能か記載されているため確認してください。
動画生成AIの商用利用は、以下の3パターンに大別されます。
- 商用利用できる
- 商用利用できない
- 有料版であれば商用利用できる
商用利用が認められていないAIが生成した動画を商用利用すると、動画使用の差し留めや損害賠償請求をされる可能性があります。思わぬ損害を受けないためにも、必ず利用規約を確認してください。
まとめ
動画生成AIは、テキストや画像から新たな動画を生み出せるAIです。動画を撮影する手間がかからず、自宅にいながら動画を作れるメリットがあります。
動画生成AIは、さまざまな企業が提供していて、目的に合ったサービスを利用することが大切です。
商用利用をする場合は、利用規約で認められているか確認してください。また、生成した動画が著作権法に違反していないかのチェックも必要です。
今回の記事を参考にして、あなたに最適な動画生成AIを見つけてください。
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